「2014年3月」の記事一覧

OUT~感想・レビュー~

OUT

OUTあらすじ 東京郊外の弁当工場にて、主婦たちは深夜パートの作業をこなしていた。香取雅子42歳はリストラ亭主と家庭崩壊、吾妻ヨシエ51歳は痴呆症の姑の介護、城之内邦子40歳はカード破産、山本弥生30歳はギャンブル狂の亭主から受ける暴力と、それぞれ4人は悩みを抱えていた。そんな中、弥生が夫を殺したのを期に、4人が複雑に絡み合っていく。 OUTの管理人の感想 文章力が高く、桐野夏生さん自身が女性だけあって女性キャラの心理描写がとても上手く感じました。 同じ工場で働く平凡な主婦4人がメインのため、リアリティを感じさせる物語で、序盤は平凡な日常がひたすら進み、中盤に差し掛かる手前・・・

不夜城~感想・レビュー~

不夜城

不夜城あらすじ 東京都新宿区歌舞伎町。日本一の歓楽街として知られる街は今や、中国人たちが勢力争いを繰り広げる街と化していた。 日本と台湾のハーフ・劉健一は、歌舞伎町で故買屋をしながら、中国人の裏社会を器用に渡り歩いていた。そんなある日、かつての仕事のパートナー・呉富春が歌舞伎町に現れた、と聞かされる。 富春は、歌舞伎町を仕切る上海マフィアのボス・元成貴の右腕と称された男を殺し逃げていた。富春の帰還を知った元成貴は、富春は元相棒の健一を頼る筈と睨み、健一に、3日以内に富春を連れて来いと命じる。 そんな健一の元へ、“夏美”と名乗る女が『買って欲しいものがある』と持ちかけてくる。・・・

ワイルドソウル~感想・レビュー~

ワイルドソウル

ワイルドソウルあらすじ 1961年、衛藤一家はアマゾンの大地に降り立った。夢の楽園と信じて疑わなかったブラジルへの移住―しかし、それは想像を絶する地獄の始まりだった。逃 げ出す場もないジャングルで獣に等しい生活を強いられ、ある者は病に息絶え、ある者は逃散して野垂れ死に…。それがすべて日本政府の愚政―戦後の食糧難を 回避する“棄民政策”によるものだと知った時、すでに衛藤の人生は閉ざされていた。それから四十数年後―日本国への報復を胸に、3人の男が東京にいた。未 開の入植地で生を受けたケイと松尾、衛藤同様にブラジルを彷徨った山本。報道記者の貴子をも巻き込んだ用意周到な計画の下、覚・・・

第11回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

生存者ゼロ

大賞受賞作 生存者ゼロ/安生正 北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、職員全員が無残な死体となって発見された。救助に向かった陸上自衛官三等陸佐の廻田と、感染症学者の 富樫博士らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられた。北海道本島でも同様の事件が起こり、彼らはある法則を見出すが…。未曾有の危機に立ち向か う!壮大なスケールで「未知の恐怖」との闘いを描くパニック・スリラー。 優秀賞受賞作 秘密結社にご注意を/新藤卓広 会社をクビになった青野が再就職したのは…なんと、秘密結社!?業務内容は、ボスからメールで下される指令を実行するのみ。ストー・・・

第10回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

弁護士探偵物語

大賞受賞作 弁護士探偵物語 天使の分け前/法坂一広 「殺した記憶はない」と、母子殺害事件の容疑者・内尾は言った。裁判のあり方をめぐって司法と検察に異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受け る。復帰後、事件の被害者・寅田が私の前に現れ、私は再び、違和感を抱えていた事件に挑むことに。その矢先、心神喪失として強制入院させられていた内尾が 失踪。さらに周囲で不可解な殺人が起こり…。 優秀賞受賞作 僕はお父さんを訴えます/友井羊 何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から実父に疑念を持った・・・

第9回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

完全なる首長竜の日

大賞受賞作 完全なる首長竜の日/乾緑郎 植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対 話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が 起こり―。衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。 優秀賞受賞作 ラブ・ケミストリー/喜多喜久 有機化合物の合成ルートが浮かぶという特殊能力を持つ、有機化学を専攻する東大院生の藤村桂一郎。ところが初恋によって、その能力を失ってしまった。悶々 とした日々を・・・

第8回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

トギオ

大賞受賞作 トギオ/太朗想史郎 選考委員が驚愕した衝撃の問題作がついに文庫化!捨て子の「白」を拾ったがために、大きく狂いはじめる主人公の人生。村八分に遭い、クラスメイトからも陰 湿ないじめを受ける。村を出た主人公は港町に流れつき、やがて大都会・東暁“とうぎょう”を目指す。悪事に手を染め、殺伐とした東暁で地べたを這いつく ばって生きる主人公が唯一気にかけていたのは、村に置いてきた白のことだった―。 さよならドビュッシー/中山七里 ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生 き・・・

第7回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

屋上ミサイル

大賞受賞作 屋上ミサイル/山下貴光 大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、 もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント 頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。 臨床真理/柚月裕子 臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という二十歳の青年を担当することになる。司は、同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け・・・

白夜行~感想・レビュー~

白夜行

白夜行あらすじ 19年前(1973年)、大阪で起きた質屋殺し。何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま事件は迷宮入りに。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その後別々の人生を歩んでいくかに見えた。だが、二人の周囲には不可解な凶悪犯罪が次々と起きる。 白夜行の管理人の感想 まず最初に思ったのは、分厚いなと笑 850ページにも及ぶ長編小説なのですが、読み始めたらもう止まることなく読み進めてあっという間でした。特にこの小説は特徴的で登場人物の中でもメインの主人公の桐原亮司とヒロインの西本雪穂の心理描写が一切語られず、周囲の人たちが推理していくという手・・・

第6回『このミステリーがすごい!』大賞/受賞一覧

禁断のパンダ

大賞受賞作 禁断のパンダ/拓未司 柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴に出席し、貴史の祖父である中島という老人 と知り合いになる。その中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。披露宴での会話を通じて、幸太は中島に料理人としてのセンスを認められ、 その結果、中島が幸太のビストロを訪問することになる。 優秀賞作 呪眼連鎖/桂修司 受刑者の自殺が相次いだ北海道・北見刑務所。自殺を不審に思った遺族から調査依頼を受けた弁護士の伊崎晋介は、独房を視察中に意識を失ってしまう。原因の 分らぬまま逃げるように東京・・・

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