向日葵の咲かない夏~感想・レビュー~

向日葵の咲かない夏あらすじ

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの 間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らす ため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

向日葵の咲かない夏の管理人の感想

最初から最後まで暗くどん底のような感覚でした。とりあえずミステリーというよりはホラーの方が近い感じでしょうか。

ただ、何度も読み返した結果ファンタジーでもあり、ミステリーだったなと感じました。

これは1回読んだだけでは本当のトリックに気付かずに終えてしまう可能性がありますね。

大どんでん返しの作品としてよく名前があがりますが、メインはミスリードを意図的に行っている部分が注目されているかと感じます。

下部にも記しましたが、本当の意味を理解できるかできないかで評価は大きく変わるのではないかと感じました。

なので、今回はネタバレ的な書き方もしていますが、一度読んでいる方は目を通してもらえればと思います。

この作品は好みが別れそうな作品でしたね。私自身ではこちら☆4とさせていただきます。

向日葵の咲かない夏のラストシーンの解釈

※ここから先は多少ネタバレになってしまうのでまだ読んでない方は注意してください。

ラストシーンや火事の場面の意味を理解できるかできないかで作品の評価が分かれる可能性があるので追記させていただきました。

私はこの部分も含めて☆4という風にさせてもらってます。

途中家事の描写があるのですが、ここの解釈が大事で火事は「ミチオが両親に助けられるシーン」の描写ではありません。「ミチオが両親を殺すシーン」の描写です。

そうなってくると捉え方が真逆になってきます。

1.ミチオは生きています。両親のみが死にました。

火事後、両親が生きていればミチオは親戚に引き取られることはありません。
両親が死んでしまっているからこそミチオは引き取られることになりました。

2.ミチオは死ぬことは幸せであると思っている節があります。

火事場面での「お父さんとお母さん、2人で逃げて」=死んで。「僕はここに残るから」=生きる。という意味だと理解できます。

3.火事後もミチオの妄想が健在しているということは・・・

火事にしたのは「S君の事件や両親についての耐えられない出来事だけをなかったことにする」ためであり、妄想自体を捨てようとしたのではありません。
なかったことにするために家を燃やし、両親を殺す必要があったのです。

4.ミチオは両親に助けられた?

「お父さんとお母さんが両手を差し出すのが見えた。」=救い出すための両手ではなく、救いを求める両手

道尾秀介さんのコメント

タイトルの意味に言及している人が意外と少ないような気がします。それと、ラストシーンで一緒にいたのが「何」だったのかという点も、読者の方々がどんなふうに解釈しているのか知りたいところです。

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