クラインの壺~感想・レビュー~
十角館の殺人あらすじ
ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。
クラインの壺の管理人の感想
主人公はあるSF小説を書き、それを新人賞のようなものに応募します。大きく選考基準からはずれたその作品(長さが選考基準の何倍もあった)に目をつけたあるゲーム開発会社から「この物語をゲーム化したい」との電話が…。
20年近く前の作品とは思えない位なんか近代的な感じのする作品となっており、今読んでも違和感は全然感じません。
結局主人公の上杉はどんどん現実と仮想世界の区別がつかなくなっていき、実際に読んでいる方もわからなくなってきてしまうような錯覚に陥ります読み始めたら止まらずに読み切ってしまうほどのテンポの良さとところどころにちりばめられた伏線はさすがと感じてしまいました。
この小説は、どんなジャンルと形容していいのかわかりません。
サスペンス、ミステリ―、SF、エンターテイメントの要素が絶妙に組み合わさっていて、しかもどのジャンルのファンも唸らせる、そんな作品のように思いました。
ちなみにこの作品は岡島二人さんでの最後の作品となっております。岡島二人というのはペンネームで実際には井上泉さんと徳山諄一さんの二人での作品となっています。
ちょっと脱線してしまいましたが、この作品はとても面白かったです。☆5とさせていただきます。